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日常の徒然「分かっているのに変えられない」の正体/潜在意識があなたを守ろうとする「防衛機制」の話
「もう、こんな自分は終わりにしたい」
「あんな言い方をしなければよかった」
そう思って本を読み、知識を蓄え、理屈では自分の課題を十分に理解しているはずなのに、気がつくとまた同じ場所で立ち止まっている。そんな経験はないでしょうか。
自分を変えたいと願う切実な努力が報われないとき、人は「意志が弱いのではないか」「性格に問題があるのではないか」と自分を責めてしまいがちです。しかし、臨床心理学の視点から言えば、それは根性の問題ではありません。
あなたの心の中に、強固な「防衛機制:心を守るシステム」が働いている証拠なのです。
意識の5%と、潜在意識の95%
心理学ではよく、人の意識を氷山に例えます。私たちが「こうしよう」とコントロールできる理性(顕在意識)は、全体のわずか5%程度。残りの95%は、言葉の届かない深い場所にある「潜在意識」が占めています。
氷山の例えは有名ですが、実際の臨床現場で感じるのは、その『潜在意識』の重みです。頭では分かっているのに、実際に行動に移すのが難しい……。カウンセリングを行う中でこのような現場を何度も目にしては、カウンセラーとしての私ももやもやしたものでした。
どんなに5%の理性で「変わりたい」と願っても、95%の潜在意識が過去にあったあらゆる記憶から「変わることは危険だ」と判断していれば、ブレーキが勝ってしまうのは当然の理屈です。
「悩み」は、かつてのあなたを守った「盾」だった
なぜ潜在意識は、これほどまでに変化を拒むのでしょうか。
私たちが抱えている「困った癖」や「反射的な感情」は、実はかつて、過酷な環境から自分を守るために必死に作り出した「防衛(盾)」でした。
感情を押し殺す癖は、誰かの怒りを買わないための知恵だったかもしれません。
完璧主義は、そうしなければ居場所を確保できなかった時代の名残かもしれません。
今のあなたにとっては「生きづらさ」に見えるその悩みも、潜在意識にとっては、あなたを今日まで生き延びさせてくれた「大切な守り神」のままなのです。
結び:理屈の限界を超えて
理屈(言葉)だけで戦おうとするのは、5%の力で95%の巨人を動かそうとするようなものです。
だからこそ、私は「言葉のやり取り」だけでなく、もっと深い場所――潜在意識へ直接アプローチする手法(ヒプノセラピーなど)を大切にしています。
もしあなたが今、「分かっているのに変えられない」と苦しんでいるのなら、まずは自分を責めるのを一度お休みしませんか。あなたの心は、ただ懸命にあなたを守ろうとしているだけなのです。
その結び目を、無理に引きちぎるのではなく、静かな場所で一つずつ解いていく。そんな時間を、一度持ってみませんか。